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福田 武司; JT-60チーム
Plasma Physics and Controlled Fusion, 44(12B), p.B39 - B52, 2002/12
被引用回数:7 パーセンタイル:24.28(Physics, Fluids & Plasmas)ITERの先進定常運転で高い予測性能を実現するため、JT-60における最近の実験では高い閉じ込め性能と定常運転に対して優れた適合性を示す内部輸送障壁の研究を重点的に進めてきた。負磁気シア放電では電子サイクロトロン波電流駆動と蓄積エネルギーの実時間帰還制御(自発電流分布の制御につながる)を組合せてDT換算で約0.8のエネルギー増倍率を0.55秒間維持することに成功した。一方、高プラズマ電流の領域におけるプラズマ断面の三角形度を従来より高くすることにより、高密度領域における閉じ込め性能を顕著に改善するとともに、弱磁気シア放電で規格化値2.5を7秒間維持した。また、最高5.7MWの負イオン源中性粒子加熱装置を用いて1.8MAの非誘導電流駆動に成功した。その他、内部輸送障壁を有する高性能プラズマにおける不純物の輸送,外部摂動を利用した内部輸送障壁の制御性について述べる。
Chankin, A. V.; Mukhovatov, V. S.*; 藤田 隆明; 三浦 幸俊
Europhysics Conference Abstracts (CD-ROM), 26B, 4 Pages, 2002/00
電流ホールのあるプラズマの平衡を解析するため、誘導電流+外部電流,自発電流及びPfirsh-Schluter電流を分けて扱うことができる新しいコードを開発した。電流ホール近傍をこのコードで解析した結果、電流ホールの端ではこのPfirsh-Schluter電流が支配的であり、実験的に観測されている、電流ホールのすぐ外側における急峻な電流勾配の大部分を占めていることがわかった。このような大きなPfirsh-Schluter電流は、電流ホールの強磁場側の端において局所的なX点形成を促進する負の電流を作り出すことが可能である。小半径方向に単調に増加するポロイダル磁場を有する現実的な平衡解を得るためには、Pfirsh-Schluter電流による負の電流を打ち消すために十分大きな誘導電流+外部駆動電流が電流ホールの端で流れてる必要がある。
玉井 広史; 石田 真一; 栗田 源一; 坂本 宜照; 藤田 隆明; 白井 浩; 土屋 勝彦; 松川 誠; 逆井 章; 櫻井 真治; et al.
Proceedings of 29th European Physical Society Conference on Plasma Physics and Controlled Fusion, 4 Pages, 2002/00
JT-60を超伝導化する改修装置 (JT-60SC) における中心電流ホールつき定常運転の可能性について、核融合炉への適用性の観点から解析・検討を行った。電流ホールの核融合工学に与えるインパクトは、プラズマ中心部で電流を駆動する必要がなくなるため、中性粒子ビームエネルギーの大幅な低減をもたらすことであると考えられる。そこで、JT-60Uの実験結果から導かれた熱・粒子輸送係数を磁気シアの函数として与え、非定常の1.5次元プラズマ輸送解析コードを用いてJT-60SC における中心電流ホールつき非誘導電流駆動プラズマの時間発展を模擬した。その結果、プラズマ電流(Ip)1.5MA,トロイダル磁場(BT)2T,95%の磁気面における安全係数(q95)4.5で11.2MWのoff-axisビームにより、閉じ込め改善度(HHy2)が約1.6,規格化値(beta_N)が約4,自発電流割合が約75%,電流ホールが小半径の約30%の領域まで達したプラズマを約70秒と、ほぼ定常に維持できることが示された。この結果は、電流ホールつき定常プラズマを得るには、自発電流及び内部輸送障壁の形成領域と電流ホールの位置関係が重要であることを示唆している。
藤田 隆明; 三浦 幸俊; 鈴木 隆博; 井手 俊介; 竹永 秀信; 及川 聡洋; Chankin, A. V.; 坂本 宜照; 小出 芳彦; 波多江 仰紀; et al.
Proceedings of 29th European Physical Society Conference on Plasma Physics and Controlled Fusion, 9 Pages, 2002/00
JT-60Uにおいて、モーショナルシュタルク効果(MSE)計測の測定精度の向上及び平衡コードの改良により、負磁気シアプラズマの中心部に電流がほとんど流れていない領域(「電流ホール」)が数秒間安定に存在することを明らかにした。電流ホールの半径はプラズマ半径の40%に及ぶ。これは従来必要と考えられていた磁気軸上電流がなくても安定にトカマクを運転できる可能性を示すものである。電流ホールは中心を外れた非誘導電流の増大によって形成される。興味深いのは、中心部で電流が負となる例が観測されていないことである。また、電流ホール内において、中性粒子ビームや電子サイクロトロン波による電流駆動を行った場合でも、中心部に電流が発生しない。このような電流ホールの硬直性は、それを維持する何らかの機構が働いていることを示唆している。
波多江 仰紀; 中塚 正大*; 吉田 英次*; 内藤 磨; 北村 繁; 佐久間 猛*; 濱野 隆*; 塚原 美光
Proceedings of 29th European Physical Society Conference on Plasma Physics and Controlled Fusion, 4 Pages, 2002/00
誘導ブリルアン散乱(SBS)を用いた位相共役鏡を既存のYAGレーザトムソン散乱装置に応用し、同装置の測定性能の向上を図った。すなわち、YAGレーザ装置に位相共役鏡を組込み、レーザ増幅器で誘起される波面の乱れを補正しダブルパス増幅を行った結果、YAGレーザの性能は[エネルギー:1.7J,繰り返し:30Hz,平均出力:51W]から[4.1J,50Hz,205W]となり、レーザ性能を著しく向上することができた。一方、SBS位相共役鏡は一般の全反射鏡と異なり精密な光学調整を必要とせず、比較的簡単な位置合わせを行うだけで反射光が入射光と全く同じ光路を逆進する。この性質を利用し位相共役鏡をJT-60U 装置に取り付けることにより、プラズマ中でレーザ光を往復させ散乱光量を約2倍にする原理実証試験を行った。